<付加行列法による逆行列計算と連立方程式のアルゴリズム>
(例)
逆行列を求めたい正則行列を用意し、単位行列を付加した拡大行列を作り、下記のように各辺基本変形を行います。
<連立方程式のアルゴリズム>
連立1次方程式の解を求めることと逆行列を求めることと等価になる。
連立1次方程式を解く場合、単位行列を連結して拡大行列Mにしてみると よくわかります。
((例)
逆行列を使った連立方程式の解
(計算方法の概略)
nxn行列A(正則)の右側にnxnの単位行列を連結nx2nの拡大行列A'を作る。
行列A'各行に対して行基本変形を適用して左側のnxn行列を単位行列に変形する。
列jを1にする。第1行から第n行まで繰り返す。これを第1列から第n列まで繰り返す。
全行基本変形が終わると、右側のnxn行列がAの逆行列A-1になる。
(1)A'ij≠0の最初の行i(i≧j)を見つける。見つからない場合は、正則でない。
i≠jならば第i行と第j行を入れ替える。(行列の基本変形a)
(2)各行に1/A'jjをかける。これによりAの(j,j)成分が1になる。(行列の基本変形b)
(3)1≦k≦nかつ、k≠jである各行kに対して、行基本変形(c)を使って、
第j行の−A'ij倍を第k行に加える。このステップで、第j列第j行以外の上下各成分が0になる。
(4)j<nならば、jに1を加えてステップ(3)に戻って繰り返す。
(行列の基本変形定義)
'(a)2つの行を入れ替える。
'(b)ある行に0でないスカラーをかける。
'(c)ある行のスカラー倍を別の行に加える。
(この変形で利用する定理)
nxn行列Mについて、行基本変形を行った結果をM'とする。
このとき、単位行列に対して同じ行基本変形を行った結果のnxn行列をEとすると、
M'=EMが成り立つ。
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