■概要
4階常微分方程式で表わされる『梁の曲げ問題(1次元)』について、境界要素法を使って近似解を求めます。 この解析では、対象の微分方程式の基本解(グリーン関数)を重み関数とした『重み付き残差表示』において、部分積分を行い、解析容易な基本解についての関係式に置き換えます。
■計算例(1) 両端固定梁の固定端ずれによる応力解析
地震や熱ひずみなどにより、両端固定梁の端がずれたときの梁のたわみ、曲げモーメント、梁表面における応力を求めます。
【データ入力】
フォームメニュー(1)両端固定を選択を選択して解析シートを追加し、以下入力します。
1)計算条件:ヤング率、板厚、板幅、スパン(板長さ)、断面2次モーメント(@)
パイプや様々な断面形状の材料も断面2次モーメントを計算して入力することで同様に計算できます。
2)境界条件/指定値(A※片方の固定端ズレが+20mmの場合を計算しています。)
3)荷重分布(Bこの場合は入力なし)
4)内点計算位置(C100箇所以内で任意位置を指定できます)
5)応力計算位置(D任意断面位置を指定。ここでは中心線から+5mmの板上面の応力を計算しています。)
【計算結果】
設定値(緑枠)と計算結果(赤枠)は次のようになります。計算フォームでGraphにチェックを入れるとたわみと応力についての計算結果のグラフも表示します。長さ方向中央で引っ張りから圧縮応力に変わり、梁端では応力が7.5MPaになります。
■計算例(2) 片持ち梁に複数の集中荷重がかかる場合のたわみ、応力解析
片持ち梁の付け根から300mm位置に80kgの重りが乗せられ、また梁先端に下向きに荷重50kgをかけるときの梁のたわみ、応力を求めます。
【データ入力】
フォームメニュー(3)一端固定他端自由を選択して解析シートを追加し、以下入力します。
1)計算条件に、ヤング率、板厚、板幅、スパン(板長さ)、断面2次モーメント
2)解析シート上の境界条件/指定値
3)荷重分布(※荷重が分布状になっている場合も100個以内で分布させることができます)
4)内点計算位置(100箇所以内で任意位置を指定できます)
5)応力計算位置(※中心線から+2.5mmの板上面の応力を計算しています)
【計算結果】
固定端で応力17MPa(引っ張り)、先端のたわみは0.9mm程度になることがわかります。
■計算例(3) 両端単純支持梁に集中荷重がかかる場合のたわみ・応力解析、厳密解との比較
両端単純支持梁の端から300mm位置に荷重50kgをかけるときの梁のたわみ、応力を求め、理論式から求めた結果と比較します。
【データ入力】
フォームメニュー(2)両端単純支持をを選択して解析シートを追加し、以下入力します。
1)計算条件に、ヤング率、板厚、板幅、スパン(板長さ)、断面2次モーメント
(※特殊形状の断面の場合は、等価な断面2次モーメントを計算して値を入力します)
2)解析シート上の境界条件/指定値
3)荷重分布(※この場合は1点のみ入力)
4)内点計算位置(100箇所以内で任意位置を指定できます)
5)応力計算位置(※板の厚み方向(y方向)へ中心から+2.5mm、すなわち、板上表面の応力を求めます。)
【計算結果と検証】
板の支持端から300mm付近で応力62MPa、たわみは400mm付近で4.9mmになりました。これを理論式から求めた結果と比較してみます。
下図のように、長さLの両端単純支持板の端からa位置に集中荷重Pが加えられる場合のたわみと曲げモーメントは、材料力学の理論より、次のように与えられています。
0≦x≦a
たわみ : u=(Pbx/6EIL)*(L2-b2-x2)
曲げモーメント : M=Pbx/L
a≦x≦L
:たわみ :u=(Pa/6EIL)*(L-x)*(-x2+2Lxb2-a2)
曲げモーメント :M=Pa*(L -x) /L
この理論式とBEM(1次元境界要素法)による解析結果をグラフに重ね合わせると、上グラフのように両者完全に一致します。荷重分布や境界条件が複雑な場合など、BEMを使うことで計算を正確に効率的に行うことができ、応用利用が期待できます。
注)応力は、曲げモーメント/断面二次モーメントx板厚み方向中心線からの距離(シートP欄)で計算されます。(理論式の詳細は、説明書、参考文献をご参照ください)
■概要/メニュー/使い方
■プログラム
・関数フィッティング
多項式近似曲線
多項式近似曲面
非線形関数
3次Spline補間曲線 (New)
双3次補間曲面 (New)
コンター図作成 (New)
・積分/表面積・体積
関数の積分
回転体の側面積・体積
・線分長さ
重積分(モンテカルロ法)
表面積計算(3D要素分割)
複雑形状の面積
・方程式の解
連立1次方程式
非線形方程式(1変数)
1階常微分方程式
連立微分方程式
・高階微分方程式
・ベクトル解析
行列計算1
(行列式/逆行列/積)
行列計算2
(固有値/固有ベクトル)
3D座標変換
3D関数
・フーリエ解析
スペクトル解析
偏微分方程式解へ応用
@(熱伝導解析)
A(弦の振動解析)
B(梁の振動解析)
C梁のImpulse加振モード解析)
Dラプラス変換へ応用
・統計解析
ヒストグラム作成(複数)
正規性の検定
相関分析(無相関検定)
区間推定
(母平均/比率)
仮説の検定
(母平均/母比率/適合度)
差の検定
(母平均/母比率/等分散性)
ノンパラメトリック検定
(Wilcoxon検定)
ノンパラメトリック順位相関
(Spearman / Kendall )
順列・組合せ
重回帰分析
・タグチメソッド
静特性
(望目/ゼロ望目/望小/望大)
動特性
・Fileデータ処理
データ検索・抽出・編成
Outlook mailデータ取出し
・シミュレーション
BEM_梁曲げ解析
Potential問題解析
*****